十九の春

沖縄俗謡
補作詞:本竹裕助

(女)
 私があなたにほれたのは
 ちょうど十九の春でした
 いまさら離縁と云うならば
 もとの十九にしておくれ

(男)
 もとの十九にするならば
 庭の枯木を見てごらん
 枯木に花が咲いたなら
 十九にするのもやすけれど

(女)
 みすて心があるならば
 早くお知らせ下さいね
 年も若くあるうちに
 思い残すな明日の花

(男)
 一銭二銭の葉書さえ
 千里万里と旅をする
 同じ那覇市に住みながら
 逢えぬ我が身のせつなさよ

(女)
 (ぬし)さん主さんと呼んだとて
 主さんにゃ立派な方がある
 いくら主さんと呼んだとて
 一生添えない片想い

(男女)
 奥山住まいのウグイスは
 梅の小枝で昼寝して
 春が来るような夢をみて
 ホケキョホケキョと鳴いていた