作詞:小口太郎
原曲:吉田千秋
1 われは湖の子 さすらいの 2 松は緑に 砂白き 3 浪のまにまに 漂えば |
4
瑠璃の花園 珊瑚の宮 5 矢の根は深く 埋もれて 6 西国十番 長命寺 |
大正6年(1917)6月、旧制第三高等学校(現在京都大学)ボート部が恒例の琵琶湖一周クルーズに出たとき
2日目に泊まった今津湖畔の宿で、クルーの一人・小口太郎が作った詞が披露されました。
これが、そのころ三高生たちの間で流行っていた『ひつじ草』という歌のメロディーに合わせて歌われるようになり、やがて三高の寮歌となりました。
『ひつじ草』を作ったのは、東京農業大学出身の吉田千秋という青年で、曲は大正4年(1915)、雑誌『音楽界』8月号に発表されました。
長い間、作詞・作曲とも小口太郎とされていましたが、熱心な研究者の調査で、こうしたことがわかりました。
なお、小口太郎は26歳、吉田千秋は24歳で亡くなっています
夭折が珍しくなかった時代とはいえ、豊かな才能と感性に恵まれた若者が2人とも早々に世を去ってしまったのは、まことに残念なことです。